Profile

廣瀬 智央/satoshi hirose
美術家

廣瀬智央は、インスタレーション、環境への介入、パフォ−マンス、彫刻、写真、ドローイング、そしてより大きな意味でのプロジェクトなどのメディアを使い、現実と記憶の世界が交差する作品を創出する日本人現代美術家です。境界を越えて異質な文化や事物を結びつける脱領域的な想像力が創造の原理となっており、目に見えない概念を目に見えるものへと転換する試みが、廣瀬の作品に一貫してみられます。日常の体験や事物をもとに、世界の知覚を刷新する表現をつくりだしています。

廣瀬は純然たる本質的な日常性を、芸術的なレベルへと移転させる作業を行います。ありふれた日常の事物を別の文脈に置き換えることによって、美の基準や変化しつづける存在の不確かさ、あらゆる境界との交差領域にうまれる関係性などを思考し、アートの可能性を示唆します。アーティストよって切り取られた日常の断片は、他者との共通点を理解し、差異を尊重するといった他者を意識するリアリティーにつらぬかれています。それは、懐疑的な視点を持ち、身動きできないような固定観念を振払うように、世界中を移動する作家の越境精神に反映されています。移動するアーティストとして文化と文化の間に生きるというメタカルチャー的な在り方は、国家や民族といった枠組みによる文化的背景がアートを具現化するというような、単純なステレオタイプな在り方を越えていきます。

東京生まれ。現在ミラノと東京を拠点に活動。多摩美術大学卒業後にイタリア政府給費奨学生として渡伊。ポーラアート財団の研究奨学金を得てミラノ・ブレラ美術アカデミーを修了。2008年には、文化庁在外研修員としてニューヨークに滞在。水戸芸術館、広島市現代美術館、イタリアのペッチ現代美術館、ボローニャ近代美術館、オーストラリアのシドニー現代美術館など世界各地で展覧会多数参加。